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民族の食

「致知」 2月号(致知出版社)
インタビュー②小泉武夫
「日本人よ、食のモラルを取り戻せ」より引用

○民族の食を捨て去った日本
小泉:さて、一方で食べる側の問題です。これはもう何から話していいのやら・・・
―食べる側の問題のほうが深刻ですか。
小泉:端的にいって、日本人が食に求めるものが、「おいしくて身体にいいもの」ではなく「安くて手軽に腹を満たせるもの」に変化してしまったのではないかと感じています。
日本はこの半世紀で民族の食文化を捨ててしまったといっていでしょう。この間、脂の消費量は4倍、肉の消費量は3倍になって、本来日本人の食文化は低タンパク、低脂肪、低カロリーだったのが、高タンパク、高脂肪、高カロリーになってしまいました。
―何が原因だったのでしょうか。
小泉:大本をたどれば、戦後アメリカが「米を食べるのをやめなさい、小麦のほうが頭がよくなる。」といって、自国で余った小麦を日本に買わせました。そこから端を発して、まだ栄養が足りないからもっとバターを食え、もっと牛肉を食えと、いろいろ要求してきたのです。
しかし、彼らのいう栄養とはカロリーベースなんですね。私は昭和18年生まれ、小学校に入ったのは昭和24年。春と秋に運動会があって、騎馬戦だ、棒倒しだと激しい競技もありましたが、誰一人として骨折した子はいませんでした。それが先日、関西の小学校の運動会で4回救急車が駆けつけたところ、全部骨折だというじゃないですか。
カロリーベースでみたら、我々の子供のころの食事なんて劣悪の極みですよ。、それを食べていた私たちが強くて、なぜいまの子が弱いのか。もうこれは民族の職を捨てたからに他ならない。
―栄養価よりもその民族に合っているかが大切なのですね。
小泉:例えば、日本人はつい50年前くらい前まで豆腐のおからやサツマイモ、ゴボウやわかめといった、本当に質素な食生活を送っていました。そうすると、なるべくたくさんの栄養を吸収するために腸が長くなるんですね。一方、アングロサクソンはもともと栄養のいいものを摂取していたから、腸が短いわけ。
そのように民族の食に応じて人間の身体、要するに遺伝子ががつくられます。それが、まるで草食動物が肉食動物に変わったくらいに急激に日本人の食が変化し、もう身体がついていけなくなっている。これほどの短期間に急激に食文化が変わった国は世界に類を見ません。日本人がおかしくならないはずがないのです。

○強く優しい日本人をつくった七つの食材
―いま、日本人は自分たちの遺伝子と合わない食生活を送っているわけですね、
小泉:それがはっきりと現れたデータがあります。都道府県別の平均寿命ランキングを見ると、この5年のうちに沖縄は長寿権ではなくなりました。
―え、そうなんですか。
小泉:いま男性の平均寿命の一位は長野、二位は滋賀、沖縄は二十七位まで下がりました。
もともと沖縄は「琉球王国」として独立していて、日本よりもむしろ中国の影響を受けていました。だから食にタイs知恵も「薬食同源」つまり食べものは薬であるという中国古来の考えが徹底していました。
ところが、戦後アメリカに統合されましたね。日本に変換されてからも米軍基地があるから、その影響で食文化を含むライフスタイル全般がアメリカ化されてしまいました。
沖縄は県庁名例ですが、いまや日本全体が欧米の食生活に席巻されたといっていいでしょう。先ほど脂の消費寮は4倍、肉の消費量は3倍と申し上げましたが、逆に3分の1~4分の1までに減った栄養分もあるんです。
―何でしょう、それは
小泉:かつて日本人が丈夫で心優しかったじぢあに食べていた食材は、実は七つしかないんですね。
・根茎
・菜っ葉
・青果(果物、トマトやキュウリなどの瑞々しい野菜)
・マメ(特に大豆)
・魚
・海藻
・米
今、こういった食材は日本の食卓から姿を消しつつありますが、これらに多く含まれているもの。それがミネラルです。
―ミネラルが昔と比べて三分の一近くまで減ってしまったと。
小泉:はいミネラルというのは大切な働きをしていて、まず最近の医学で明らかになったのは、ミネラルが不足すると認知賞が早く出やすいといいます。
また、男性側の原因で赤ちゃんができにくくなる。また、「キレる」のも、ミネラルの不足と大いに関係しているおいう研究結果が出ています。
(中略)
いま子供たちに対して食育をしなければといわれますね、しかし、私は、食育とは大人がしなければならない勉強だと思います。大人が食の意識を高めること。要するに、安さや手軽さを求めず、安心で安全な日本の食材を使って手間と心をこめて、日本人の身体にあった食事をつくって食べること。
そうすれば日本の食料自給率は上がり、徳のあるこどもたちが育つのです。それが日本が豊かで徳のある国になる第一歩ではないかと私は考えています。

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