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2011年12月19日 (月)

シートン動物誌 オオカミの騎士道

先日、静岡県議会で鈴木智議員が、一般質問に登場し、
シカ対策とオオカミ再導入について、県の見解をただしました。
http://www.gikai-chuukei1.pref.shizuoka.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=124

昨年から今年にかけて、いろいろな地域の議会でこうした質問が出るようになりましたが、それに対する答弁はお粗末そのものです。
実際のオオカミの姿を知らずに、答弁されているのがよくわかります。
といって、オオカミとはどういう動物かを的確に説明した文書もなかなかない、ということも事実です。
図書館で、その手の書物がないかどうか、調べていると、動物に関する古典中の古典が目に留まりました。シートンであれば、誰もが認める野生動物の記録者です。
「シートン動物誌2 オオカミの騎士道」 今泉吉晴訳
その中でシートンは、こう書いています。
P217 見当はずれなオオカミ像
私たちは何十世代にもわたって、オオカミを凶暴だといい、ずる賢いと言い、そして強欲だと言うたくさんの話を聞き、また伝えてきた。そのため私たちはいまや、このすばらしい魅力ある生き物の像をまったく見当はずれに思い描いている。
 けれども一方で、私たちが今、手にしているたくさんの事実の断片をていねいにつないでいくと、信頼に値するくわしい記録を生み出すことができる。こうして、私たちが受け継いできた古いオオカミ像は、現実のオオカミにはほとんど当てはまらないことがわかる。典型的なオオカミの特徴を思い切り簡潔にして、言葉に表すとすれば、こうなる。あらゆる野生動物のなかで、もっとも用心深く、もっとも細心で、もっとも賢く、もっとも姿を見せることが少なく、もっとも鳴き声を聞かせることが多く、そしてもっとも強靭かつ最も耐久力のある動物である、と。もちろん私は典型的なオオカミがいるとすれば、こう表現できるという意味で述べている。典型的な人間といえる人間が存在しないのと同じ意味で、このような特徴を文字通り完璧に兼ね備えたオオカミはいない。
 オオカミとは、みずからの知恵と顎の力で生きる、大きな野性のイヌだということを思い起こしていただきたい。イヌが個体によってさまざまであるように、オオカミも個体によって違っている。オオカミの個体変異はきわめて大きいので、おおざっぱな一般化は間違いのもとになる。勇敢なオオカミもいれば、臆病なオオカミもいる。獰猛なオオカミもいれば、内気なオオカミもいる。それでも、こう明言してさしつかえあるまい。どんなオオカミも高度の知能を備え、きわめて用心深く、今日、アメリカに生息する野生動物のなかでもっともワナにかかりにくい動物である、と。
 オオカミは私たち人間との最近の過酷な闘いのなかで、高度の知能と学習能力を身につけた。
 私たち現代人は、オオカミを根絶しようと激しい闘いをしかけてきた。長い間人間と離れて暮らしてきたオオカミを進化させたのは、私たち現代人なのである。(中略)
 今日、ヨーロッパ大陸のオオカミは、荒地や森に身を潜めて暮らしている。1882年から94年までの12年間にフランスだけで8000頭のオオカミが殺された。
 アメリカでは、オオカミを根絶する闘いが現在も続いている。
**********
オオカミを根絶する闘いは、今は止み、各地で保護、復活の活動に変わってきました。
フランスで8000頭のオオカミが殺された頃、アメリカでは、200万頭いたとされるオオカミが200頭まで減らされる根絶の闘いの最中でした。シートンの別の項目の記述の中にも、10万頭のオオカミが殺されたとあります。シートンは1860年生まれで、1940年代に死去していますから、オオカミが根絶されようとしていたその同時代を目撃しています。
日本でも、北海道では1880年頃から1890年頃にかけて約2000頭のオオカミが殺され、賞金が支払われた記録が残っています。日本のオオカミも世界中で行われていた人間が仕掛けた根絶の闘いの潮流の中にあったようです。
この書物を一見して、少し現代の知見から見れば足りないところがあります。それを補いつつ、徐々にオオカミ像を紹介しておきたいと思います。

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