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2012年3月

2012年3月18日 (日)

オオカミの存在はエサ以外の動物にも影響があるのか?

http://www.fws.gov/midwest/wolf/aboutwolves/wolfbiology.htm

10)  Does the presence of wolves affect the numbers of animals other than their prey?

As one of the top predators in the food chain, wolves have a definite impact on their ecosystem. Studies at Yellowstone are finding that the effect of wolves cascades throughout the Park's ecosystems.  Ravens, foxes, wolverines, coyotes, bald eagles, and even bears benefit because they feed on carcasses of animals killed by wolves.  Coyotes declined because wolves view them as competition and keep them out of their territories; which may be responsible, in part, for an increase in small rodents.  Elk changed their behavior to avoid wolf predation, which allowed willow, aspen, and cottonwood regrowth.  This, in turn, provided food for beavers and habitat for songbirds.  The ecosystem changes and cascading effects continue and are expected to do so for some time

オオカミの存在は、エサ動物以外の動物の数に影響を与えるか?

食物連鎖の中にある頂点捕食者として、オオカミは生態系に絶対的なインパクトを与える。イエローストーンでの研究は、オオカミのカスケード効果が後援の生態系全体に及ぶことを見つけている。カラス、キツネ、クズリ、コヨーテ、白頭ワシ、クマさえもがオオカミに殺された動物の死体を食べることで利益を得ている。コヨーテはオオカミの競争者と見たため彼らのテリトリーから追い出されて減少し、小さなゲッシ目の増加に対して責任をもつことになった。エルクは、彼らの行動をオオカミの捕食を避けるように変化させ、そのことが柳やアスペン、ハコヤナギの再成長を許すことになった。これは、逆にビーバーにエサを、鳴く鳥に巣を提供することになった。生態系は変化しカスケード効果は続き、一定の期間にそうした効果が期待されている。

*************

日本では今、鹿が増えすぎたため、木や草、高山植物がなくなる、枯れるだけでなく、野鳥は減少し、高山ではライチョウが棲むところをなくし、草花がなくなるか、鹿の不嗜好植物に単一化するため蝶もいなくなり、ネズミやウサギも棲めなくなり、土壌も乾燥化が進み、土壌生物もいなくなり、と、何もかもが影響を受けています。

ある年の野生生物保護学会の自由集会に出席したときに、「このままシカが増え続ければ、まず草がなくなり、花がなくなり、樹木がなくなり、草に依存する鳥、樹木に依存する鳥は消え、花に依存する蝶はいなくなり、蜂も飛ばなくなり、そのような昆虫類を食べる小動物は生きるところを失う。それでもまだオオカミは外来種だといい続けるのでしょうか」

と尋ねました。

出席者の多くは野生生物に関わる研究者や研究者の卵、また在野で野生生物に関心を持ち続けている人たちです。

このままこの事態を放置して、自分たちの研究ができなくなる、フィールドが消滅するのを見続けることができるのでしょうか。

それとも、それさえも黙って観察し続けることが自分の仕事だと言い張るのでしょうか。

【シンポジウム】ドイツに見るオオカミとの共生--復活オオカミでシカをコントロール

http://japan-wolf.org/

昨年10月に、札幌、帯広、釧路、松本、富士川、東京(文京シビック)で開催したシンポジウムの西日本シリーズのご案内です。

【シンポジウム】ドイツに見るオオカミとの共生--復活オオカミでシカをコントロール

オオカミと共生が進むヨーロッパ。すでに28カ国に2万頭を超えるオオカミが生息する。 ドイツの専門家に、この共生の実状を語ってもらいます。日本によく似た土地利用、都 市と田園と森が小さなモザイクで分布するドイツの住民とオオカミとの共生から、私たちは多くの貴重な情報を得ることができます。オオカミとの共生によって、はじめて獣害を防ぎ、自然生態系と農林業、交通、暮らしの安全を守ることができるのです。 会場では直接意見交換もしていただけます。

開催の日程と会場】 
①東京 4月20日(金)18:30~20:30 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F TEL 03-3407-8107
http://www.geoc.jp/

②静岡 4月21日(土)14:00~17:00
静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」6F交流ホール
静岡県静岡市駿河区池田79-4 TEL 054-203-5710
http://www.granship.or.jp/parking/index.html

③大阪 4月22日(日)13:00~16:00 フチュール和泉3F(図書館集会室)
大阪府和泉市府中町1-20-1 TEL 0725-44-3071
http://www.asahi-net.or.jp/~tb7k-fji/osaka/izumic.html

【設定中】④兵庫 4月22日(日)18:00~21:00 西宮市立夙川公民館(講堂)
兵庫県西宮市羽衣町1-39   TEL 0798-33-1928
http://www.shukugawa-navi.com/public/kominkan1.html

⑤徳島 4月23日(月)14:00~17:00 三好市池田総合体育館 2F大会議室
徳島県三好市池田町マチ2551-1 TEL 0883-72-5755

http://www2.city-miyoshi.jp/facility/

⑥熊本 4月25日(水)14:00~17:00 人吉市カルチャーパレス 小ホール
熊本県人吉市下城本町1578-1 TEL 0966-24-3311

http://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/15/250.html

【プログラム】

●オオカミは怖くない!  ドイツにおける復活と住民との共生
Magnus Wessel◆マグヌス・ベッセル:ドイツ
(自然・生物多様性保護連合NABU*, 自然保護戦略企画担当)(通訳つき)

*NABU (Germany Nature and Biodiversity Conservation Union)
ドイツ自然・生物多様性保護連合: http://www.nabu.de/en/index.html
1899年に設立。150年ぶりにドイツに復活したオオカミの保護とその啓発の中心的役割を担う。
会員数45万人。オオカミと人との共生をめざし、“オオカミ歓迎プロジェクト”
(http://www.nabu.de/en/aktionenundprojekte/wolf/ )を推進中。


参照→ドイツ総領事館ニュース

http://www.osaka-kobe.diplo.de/Vertretung/osaka/ja/newsletter/NachrichtenD/20101019.html

招聘講演者 マグヌス・ベッセル氏

●日本におけるオオカミ復活の必要性と課題
丸山直樹(JWA会長・東京農工大学名誉教授)or 小金澤正昭(同副会長・宇都宮大学農学部教授)
●会場との質疑応答

【参加費】無 料 

◆後援◆ドイツ連邦共和国大使館/NPO法人日本高山植物保護協会/(財)日本生態系協会/
写真家白旗史朗・山岳写真の会「白い峰」/ブナを植える会/広葉樹文化協 会/槙尾山の会/
古座川流域林業研究会/南アルプス市議会有害鳥獣対策協議会/富士川町オオカミ導入研究会/
湘南自然 に学ぶ会、 ほか

2012年3月16日 (金)

屋久島のシカ生息密度管理・その目標でよいのか?

ヤクシカの生息密度管理 環境審、県に計画答申へ
(2012 03/15 17:03)
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=39118&sp=1

 鹿児島県環境審議会は14日、鳥獣部会を開き、屋久島の生態系保全に向けて、初
めてヤクシカ18 件を対象とした特定鳥獣保護管理計画(2012~16年度)など
諮問案6件を原案通り答申すべきと決めた。増加したヤクシカの生息密度を管理す
る。県は答申を受け、4月から実施する。
  管理計画は屋久島を6ブロックに分け、生息密度の暫定目標値を北、西部は1平
方キロメートル当たり20頭に、南、南東部は同10頭に設定して個体を捕獲。目標
値は生態系の回復を検証しながら変更する。

南日本新聞


***********
生息密度を減らして、10頭、20頭にする暫定目標値ということは、現状それよりも多いということになります。
「オオカミを放つ」に掲載の論文によれば、
平方キロメートルあたり10頭では
・日光 ミヤコザサの小型化、ミズナラ・ウラジロモミの剥皮が発生
・紀伊半島大台ケ原では、トウヒ・ウラジロモミの剥皮発生


平方キロメートルあたり20頭では
・日光 ミズナラ・ウラジロモミの枯死
・金華山 シバ・ススキ群落の成立(つまり他の樹木が後退した)


さらに平方キロメートルあたり30頭になると
・北海道中島(洞爺湖) 双子葉草本の消失
・神奈川丹沢 スズタケ群落の退行、剥皮の増加
・長崎県対馬 地表植被の減少


ということがおきています。(須田p31)
暫定ということですから、最初のステップだとは思いますが、その程度の目標で大丈夫でしょうか。
 

2012年3月15日 (木)

自然の条件下、保護されたオオカミの死因は?

U.S. Fish and Wildlife Service【魚類野生生物局】のホームページにあるQuestions and Answers about Gray Wolf Biology

21)  In protected populations, what kills wolves?

In natural situations pups die from starvation and adults die from being killed by members of neighboring packs. Adults can also starve to death if the prey base is not adequate.  Diseases, such as canine parvovirus and mange, also kill wolves, especially pups.  Sometimes adult wolves are killed by animals on which they intended to prey.

自然条件では、子オオカミは飢えにより死ぬ、そして成獣は隣接のオオカミの群れにより殺される。成獣もまた、もしエサ動物の基盤は適切でないとしたら飢えて死ぬことになる。イヌパルボウィルス、疥癬のような病気もまた、オオカミの、特に子オオカミの死因である。ときには成獣でも、彼らが獲物にしようとした動物によって殺されることもある。

***********

オオカミが増え続けたらどうする?という疑問への答えの半分がここにあります。

エサが少なくなり、飢えるとオオカミは病気に弱くなり、隣り合った群れと争って、殺し合い、頭数を減少させます。

オオカミは手当たりしだいに動物を殺すのか?

アメリカ US Fish and Wildlife Service【魚類野生生物局】のホームページにあるQuestions and Answers about Gray Wolf Biology

9)  Do wolves kill more than they can eat?

Sometimes, but rarely.  The few times that wolves have been documented killing more than they could eat were when conditions such as deep snow or other unusual circumstances made it easy for them to kill their prey.  Even then, they returned to those kills and continued to use them.

オオカミは食べる以上に殺すか?

ときどきは。しかし稀である。オオカミは雪が深いときや他の通常でない環境条件で、彼らにとって獲物を獲りやすい場合、彼らが食べる以上に殺すことが何度か記録されている。そのときでさえ、彼らは戻り、食べ続けた。

::::::::::

オオカミを日本に復活させれば、希少動物が食べつくされるというのは、間違いのようですよ。

2012年3月13日 (火)

日本高山植物保護協会 白旗史朗会長

日本高山植物保護協会の会報より

新年への抱負 新しい出発

会長 白簱 史朗

日本高山植物保護協会会員の皆さま、明けましておめでとうございます。

NPO法人日本高山植物保護協会が、南アルプスの麓で孤々の声を挙げて、早くも23年の歳月が経過しました。世界に一属一種、それも日本南アルプスの一角に細々と生き永らえてきたキタダケソウ、この世にも稀な種は、これまでよくぞ永らえたものと、私たちに感嘆の声を思わず挙げさせたほど稀有な生を送ってきたといえます。これはまた、その当時まで、北アルプスや他の山地のように入山も容易でなく、登山道や山小屋の状態も比較にならぬくらい整備されていなかったことが幸いしたのだと思います。しかし、昭和三十年度後半からの第一次登山ブーム、そして、徐々にこの山地へも人の開発の手がのび、それにつれて人びとの訪れが繁くなると共に、南アルプスもおのずと荒廃の度が進んできました。実のところ、私が南アルプスに入り始めたのは、昭和二十年代でしたが、突きつめて考えると、私がその荒廃の先便をつけたのだともいえ、時折り慙愧の念に駆られることがあります。

しかし、謇ノ河原に石を積むような果てしのない繰り返しを続けていた高山植物保護活動も、関係者各位のたゆみない努力と環境省地元職員の方々の協力で、かすかながら光明が見えてきた様な気がします。

ですが、好事魔多しのことわざ通り、近年はニホンジカの異常繁殖による食害が南アルプスのみならず、日本全国の山にひろがってきて私たちを悩ませて居ります。

その対策として、当協会は日本オオカミ協会と提携して、その導入に努力しております。オオカミというと、人はいわれのない恐怖と危惧を抱いて、ただ反対に走ります。そもそも日本の野生界に於ける植物連鎖の最高峰に位置するオオカミを絶滅させた明治政府時代に始まった政策が、この現在の未曽有ともいえる野生生物界の混乱を招いたのであり、同様の政策でその誤りに気付いたアメリカ、カナダやドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国は率先してオオカミを再導入し、着々とそれを成功に導いています。

私たちも出来得る限り早急に、オオカミ再導入を図り、日本の自然界を昔日のように正常な姿に戻したいと決意しました。

どうか、会員の皆様も等しくご賛同頂き、一日も早い自然の復元に力を併せて進もうではありませんか。何卒宜しくお願い申し上げます。


2012年3月12日 (月)

世界遺産屋久島のシカ

屋久島はどうなっているのか、ずっと気になっていました。

シカは増え続け、駆除の目標頭数も年々上がっていると、報道は目にするものの、実際の山の中はどうなっているのか、見たいと思っていました。

登山者の方が撮影した動画をyoutubeにアップされています。

想像以上のひどさです。

このままでは屋久島はシカとサルに占拠されてしまうに違いありません。

http://www.youtube.com/watch?v=7QduSE43bMA
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=o9pUOVX1qSc&NR=1
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=5fgQ9G5-qC0&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=ArQR9Q7fFgY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=TE-ck8FsYTI&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=sM_-MmVwa-Y
http://www.youtube.com/watch?v=sjqQ4hrKANo&feature=related

http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=6SFgWEAmTGs&feature=endscreen

2012年3月 8日 (木)

オオカミの捕食は選択的

7)  Do wolves really take the old, young, sick, starving, or injured animals?

It is well-documented that wolves tend to do this. Hunting and bringing down big game is dangerous work and wolves are sometimes killed by elk, moose, and even deer.  In the wild, they cannot afford to be injured; therefore, they go after the safest animals to kill and often leave strong animals alone.  A recent study of wolf predation on elk in Yellowstone National Park, for example, found that wolves tend to kill calves and older animals adult elk killed by wolves were about 7 years older than elk killed by hunters.  If weather or other conditions make prey unusually vulnerable, wolves can and do kill prime-aged animals but wolf predation tends to be selective.

オオカミが獲るのは、本当に年取った、若い、病気の、飢えた、あるいは傷ついた動物か?

オオカミはそのような傾向があると記録されている。大きな獲物を狩り、仕留めるのは、危険な仕事であり、オオカミは時にエルクやムース、シカにさえ殺されることがある。野性の中では、彼らは傷つくわけにはいかない。したがって、彼らは最も安全な動物を付回し、殺すが、強い動物を避けることがよくある。イエローストーン国立公園の、最近のオオカミの捕食の研究では、たとえば、オオカミは幼獣や老齢の獣を殺す傾向があることがわかっている。-オオカミに殺されたエルクは、ハンターに殺されたエルクよりおおよそ7歳年齢が高かった。もし天候や他の条件が獲物を非常に傷つけやすくするなら、オオカミは高齢の動物を殺すことができるが、オオカミの捕食は選択的になる傾向がある。

*******

その結果として、シカなどの獲物の群れは、病気やけがをした獲物がいなくなり、健康な群れになるといわれています。

2012年3月 6日 (火)

長野県知事「オオカミ導入困難」とは言うが

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120228-00000134-mailo-l20

シカ食害:阿部知事「オオカミ導入困難」 /長野

毎日新聞 

 シカなどの食害対策として絶滅したオオカミを再導入する是非について、阿部守一知事は27日、2月定例会の一般質問で「県ではオオカミを自然に放って、ニホンジカの頭数をコントロールすることは困難」と答弁し、否定的な考えを示した。
 無所属改革クラブの永井一雄県議が「オオカミを再び自然に放つことで生態系を修復し、シカの増殖を抑制することを検討してみてはどうか」と質問。ドイツや米国などが実際にオオカミを導入していることに知事は「オオカミの一つの群れが、生息に必要な面積は県の10分の1に当たる広さ。現実として難しい」と答えた。
 ニホンジカは現在、県推定で10万5000頭おり、南アルプスなどの高山植物など食害被害が拡大している。県は5年後に3万5000頭に減らす計画を進めるが、ハンターの人数の減少などで達成が難しくなっている。【仲村隆】

2月28日朝刊

1つのオオカミの群れに「長野県の面積の10分の1が必要」というのは正確ではないけれども、間違ってはいません。

長野県の面積は

13,562.23km² ⇒ 135ha

km²100ha

ですから、その10分の1でざっと13ha

オオカミ研究者によれば、オオカミのテリトリーとして観察された面積は、

最小で6000ha、最大で約10ha

と言われています。その最大値をとったわけですね。

オオカミのテリトリーを決めるのは、主なエサの量です。

多くの地域で、オオカミの主なエサになっているのは、有蹄類、シカやイノシシです。

アメリカ大陸では、大きなほうから並べると、ムース(ヘラジカ)、エルク(ワピチ)、オジロジカ等、ユーラシア大陸では、北極圏も含めるとトナカイ、ヘラジカ、アカシカ、ニホンジカ、ノロジカ、モンゴルガゼル等。

日本ではニホンジカ、エゾシカの頭数によって、オオカミのテリトリーの広さが決まります。

エサが多ければテリトリーは狭くなりますし、少なくなれば広くなります。

長野県には10万頭のニホンジカがいると書かれていますので、十分なエサの量だと思われます。テリトリーの面積は最大値をとらなくてもいいのでは?

県知事の答弁には、オオカミは人間領域では生活できない、というニュアンスが感じられます。県の面積から、人間領域を差し引いた面積にだけしかオオカミの生息する場所はない、だから狭すぎるという感じです。

ところが、ドイツ・ラウジッツ地方で復活したオオカミの例からは、人間の生活領域であっても、オオカミは生息していることがわかります。ここ

その例を参考にすれば、長野県の面積135haは、そのほとんどの地域でオオカミが生息できる可能性があります。ラウジッツでは、人口4万人以上の町をさけているだけで、それ以下の町や村は、オオカミのテリトリーに含まれてしまいます。

また、仮に1群のテリトリーの面積が10haとしたところで、大した障害にはなりません。オオカミの群れがどのように分布しているのかは、各地で発信機等を使って観察されています。

たとえばドイツ・ラウジッツ地方では、約50haの面積の地域に、2011年現在11群と1ツガイ、頭数にして合計で約50頭が生息しているようです。

またアメリカのイエローストーン国立公園には、年によって変動しますが、50頭~100頭くらいの頭数で、1012群が生息しています。

ドイツ 50ha50頭 約10

YNP   90ha50100頭 約1012

ここで知事の勘違いがどこにあるのかがよくわかります。

オオカミはシカほどの頭数には増えないということです。だから長野県全域に110haの面積で、100頭のオオカミが生息したとしても、エサになるシカは10万頭もいます。

オオカミの生態を知れば知るほど、「10haのテリトリーが必要だから、長野県にオオカミが棲むことは困難」という答弁はおかしなものに感じられます。

ドイツでもアメリカ中西部でも、人間領域の近くにオオカミの生存を許すかどうかは、

「人間の寛容さ次第」と政府機関やNGOの解説にあります。

日本人は、オオカミの生存を許す寛容さがないのでしょうか。

航空写真がwikiにあります。【赤石山脈】

ついでにいうと長野県を含む中部山岳地帯は、広大です。

2012年3月 5日 (月)

オオカミが増えすぎたら、シカやエルクは絶滅するか?

http://www.fws.gov/midwest/wolf/aboutwolves/wolfbiology.htm

6)  If wolf numbers get too high, will deer and elk be eliminated?

Wolves have lived with their prey for many thousands of years, and the health of wolf populations is dependent on the health of their prey base.  Under certain conditions wolves can cause local decreases in prey numbers.  But if deer and elk numbers were to decline over an extended period of time, due to severe winter conditions or habitat changes, wolves would have less food available and their health would decline.  They would then produce fewer pups and fewer pups would survive to adulthood.  Also, more adult wolves would die because of poor health or in conflicts with other wolves.  Thus, wolf numbers would decline before their prey could be eliminated.

Isle Royale, Michigan, serves as a living laboratory to illustrate this point.  One female gray wolf naturally emigrated to this island (about 132,000 acres) more than 50 years ago and eventually three packs were established. Their primary prey is moose.  Through the years the numbers of moose and wolves have fluctuated, but after 50 years a moose population continues to survive on Isle Royale.

オオカミは何千年もの間、エサ動物と一緒に生きてきた。そしてオオカミの群れの健康はエサ動物の健康に依存している。ある条件の下では、オオカミはエサ動物の地域的な減少を引き起こすことがある。しかし、もしシカやエルクの頭数が、厳しい冬の条件や生息域の変化により長期間減少したとしたら、オオカミはより少ない食料を利用することになり、オオカミの健康は減少していく。子オオカミから成獣まで生き残るオオカミは、どんどん少なくなる。また、より多くの成獣が、健康悪化と他のオオカミとの闘争で死ぬだろう。このようにオオカミの頭数は彼らのエサ動物が絶滅する前に減少する。

ミシガン州ロイヤル島は、この点を説明するための生きた工場のように提供されている。50年以上も昔、あるメスオオカミが自然にこの島へ渡ってきた。(面積132000エーカー)それが3つのオオカミの群れができあがった。彼らの主なエサはムースである。ムースとオオカミの頭数は年変動するが、50年後、ムースの頭数はロイヤル島で生き残っている。

2012年3月 4日 (日)

オオカミは何を食べる?

5)  What do wolves eat?

In the Midwest, wolves eat mainly white-tailed deer but they also eat moose, beaver, and snowshoe hare.  In the Rocky Mountains, wolves feed on elk, deer, moose, bison, and beaver.  Wolves even eat some insects, small mammals, nuts, and berries.  They may not eat for a week or more but are capable of eating 20 pounds of meat in a single meal.

中西部では、オオカミは主にオジロジカを食べるが、彼らはまたムース、ビーバー、ウサギも食べている。ロッキー山脈では、オオカミはエルク、シカ、ムース、バイソン、ビーバーも食べている。オオカミは昆虫や小動物、ナッツ、ベリーさえも食べる。彼らは一週間以上も食べないこともある、しかし一回の食事で20ポンドもの肉を食べることもできる。

**************

http://www.fws.gov/midwest/wolf/aboutwolves/wolfbiology.htm

オオカミの移動距離は?

4) How far do wolves travel?

http://www.fws.gov/midwest/wolf/aboutwolves/wolfbiology.htm

Wolf packs usually hunt within a specific territory.  It is not uncommon for territories to be as large as 50 square miles but they may even extend up to 1,000 square miles in areas where prey is scarce.  Wolves often cover large areas to hunt, traveling as far as 30 miles a day.  Although they trot along at 5 m.p.h., wolves can attain speeds as high as 40 m.p.h.  Most wolves disperse from the pack they were born into by age three.  Dispersing wolves have traveled as far as 600 miles.

オオカミはどのくらい遠くへ旅するのか

オオカミの群れは、通常特定のテリトリー内で狩りをする。50平方マイルほどの大きさのテリトリーは普通にはないが、エサが稀少な地域では、1000平方マイルまで広がることもある。オオカミは、、130マイル以上も移動して広大なエリアをカバーすることがよくある。彼らは毎時5マイルで走っているが、毎時40マイルにスピードを上げることもできる。ほとんどのオオカミが3歳になると生まれた群れか分散しようとする。分散オオカミは600マイル以上も移動する。

***************

ドイツのNABUが発信機をつけて追跡した事例では、これの約2倍の1500kmも遠くへ移動した個体があったそうです。ドイツ南部から北へ向かい、ポーランド国境を越えて、北海沿岸まで行っています。日本列島にオオカミが復活したとしたら、あっという間に全国に分布が広がるはずです。

2012年3月 3日 (土)

オオカミは生息地に原生自然を必要とするか?都市の近くでは生息できるのか?

U.S. Fish and Wildlife Service【魚類野生生物局】のホームページ

Questions and Answers about Gray Wolf Biologyから

Do wolves need wilderness areas to survive? Can they survive near urban areas?

オオカミは生息地に原生自然を必要とするか?都市の近くでは生息できるのか?

It was thought that gray wolves were a wilderness species, but wolf range has expanded into areas that we once thought could not support them.  In Minnesota and Wisconsin, wolves have shown that they can tolerate more human disturbance than we previously thought.  Consequently, it appears that wolves can survive anywhere there is sufficient food and human tolerance to allow their existence.

From a biological standpoint, we know that wolves can and do survive near urban areas.  But whether wolves survive near cities and towns will depend on people.  There are areas near large cities that have sufficient wild prey to support wolves.  Wolves are predators, however, and conflicts arise when they kill livestock and domestic animals, including pets.  These conflicts, along with urban hazards such as vehicle traffic, will likely limit the establishment of wolf populations near urban areas.

ハイイオオカミは野生に生きる種だと思われている。しかし、オオカミの生息域は、オオカミの生存を支えることができないと私たちが考えていたエリアにまで広がっている。ミネソタ州とウィスコンシン州では、オオカミは、以前私たちが考えていたよりも人間の妨害に対して忍耐強いことが観察されている。したがって、オオカミは、十分なエサがあり、人間がオオカミの存在できるほどに寛容であれば、どこでも生存できるようだ。生態学的な観点からは、私たちはオオカミが都市の近くで生息できることを知っている。しかし、オオカミが市や町の近くで生存できるかどうかは、人々しだいである。

大都市の近くには、オオカミをさせるに十分な野性のエサがいるエリアがある。オオカミは捕食者である、しかしペットを含む家畜や飼育動物を彼らが殺したときに摩擦が起きる。その摩擦は、自動車交通のような都市の障害といっしょに、オオカミの頭数が都市近郊に確立することを制限することになるだろう。

2012年3月 2日 (金)

なぜハイイロオオカミは絶滅危惧種としてリストされたのか?

アメリカの野生生物保護当局である、U.S. Fish and Wildlife Service【魚類野生生物局】のホームページにあるQuestions and Answers about Gray Wolf Biologyから

http://www.fws.gov/midwest/wolf/aboutwolves/wolfbiology.htm

Why was the gray wolf listed as endangered?

Wolves became nearly extinct in the conterminous 48 states in the early part of the 20th century.  Predator-control programs targeted wolves, and wolf habitat was altered and destroyed as eastern forests were logged and then converted to farms.  Woodland caribou, bison, and beaver, the wolves’ prey base, were also brought to near-extinction by settlers and market hunters.  Predator-control programs, loss of habitat, and loss of prey resulted in the elimination of wolves throughout most of the conterminous U.S. except in northeastern Minnesota and Isle Royale, Michigan. A few individuals also remained in the northern Rocky Mountains.

なぜハイイロオオカミは絶滅危惧種としてリストされたのか?

オオカミは20世紀の初頭に隣接する48州でほぼ絶滅した。捕食者コントロールプログラムは、オオカミを対象としており、オオカミの生息地が改変され、破壊された。東部の森林が伐採され、農場に転換された。ウッドランドカリブー、バイソン、そしてビーバー、オオカミの基本的な獲物であり、その獲物も入植者と市場のハンターによってほぼ絶滅させられた。捕食者コントロールプログラムと、生息地の喪失、そして獲物の喪失によって、ミネソタ州北東部とロイヤル島を除き、米国のほとんどからオオカミの根絶させた。少数の個体が北部ロッキー山脈に残っただけだ。

*********************

この説明を裏付ける記述が「シートン動物誌」にあります。

シートン動物誌

P90 地図7 アメリカオオカミの分布域

アメリカのオオカミはもともとは、ロッキー山脈より東の森林地帯に広大な分布域をもっていた。しかし、ロッキー山脈より西には分布の空白地帯があった。オオカミは、20世紀初めまでに、東部諸州とミシシッピ川上流から姿を消している。

P96

ジョン・オーデュボンは1843年、ミズーリ川をさかのぼる「大西部旅行」に出た。白いオオカミを見て、こう書いている。「とても多かった。・・・・川をさかのぼる何日間かの間に、12頭から25頭のオオカミを目撃した」

マニトバ州南部には、かつてたくさんのバッファローが生息していた。そこではオオカミの数もきわめて多かった。レッド川やアシニボイン川の流域にバッファローの大群が暮らしていたころ、マニトバ州には数百頭、ひょっとすると数千頭のオオカミが生息していたのではないだろうか。

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東部のオオカミについても

いくつか貴重な記録が残されている。ペンシルバニア州には1827年に生まれ、1901年に74歳で亡くなった有名な猟師ジョージ・スミスがいた、(中略)

「スミスが一生のうちにしとめた獲物の頭数はつぎのとおりである。

ジャガー14頭、クマ500頭、ワピチ30頭、シカ3000頭、ピューマ500頭、オオカミ500頭、ボブキャット600頭、」

同じころ、スミスのような有力な猟師がどれほどいたかは想像によるしかない。・・・面積116500平方キロのペンシルベニア州では1000人以上の猟師がいたと考えてよい。つまり、ジョージ・スミスが50年間のうちに500頭のオオカミをしとめたということは、1000人の猟師をかかえるペンシルベニア州全体では50万頭、年間1万頭のオオカミが殺されたことを意味する。

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今では、オオカミはすっかり少なくなった。バートレットの報告によると、「カナダとアメリカをあわせ、190105年の5年間で、オオカミ498000頭分のオオカミの毛皮が取引されている。」市場に出回った50万枚が実際に捉えられた数の半分だと仮定すると、5年間の捕獲数は壮齢と若者のオオカミをあわせて100万頭、つまり毎年20万頭が殺された計算になる。

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