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2012年3月 6日 (火)

長野県知事「オオカミ導入困難」とは言うが

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120228-00000134-mailo-l20

シカ食害:阿部知事「オオカミ導入困難」 /長野

毎日新聞 

 シカなどの食害対策として絶滅したオオカミを再導入する是非について、阿部守一知事は27日、2月定例会の一般質問で「県ではオオカミを自然に放って、ニホンジカの頭数をコントロールすることは困難」と答弁し、否定的な考えを示した。
 無所属改革クラブの永井一雄県議が「オオカミを再び自然に放つことで生態系を修復し、シカの増殖を抑制することを検討してみてはどうか」と質問。ドイツや米国などが実際にオオカミを導入していることに知事は「オオカミの一つの群れが、生息に必要な面積は県の10分の1に当たる広さ。現実として難しい」と答えた。
 ニホンジカは現在、県推定で10万5000頭おり、南アルプスなどの高山植物など食害被害が拡大している。県は5年後に3万5000頭に減らす計画を進めるが、ハンターの人数の減少などで達成が難しくなっている。【仲村隆】

2月28日朝刊

1つのオオカミの群れに「長野県の面積の10分の1が必要」というのは正確ではないけれども、間違ってはいません。

長野県の面積は

13,562.23km² ⇒ 135ha

km²100ha

ですから、その10分の1でざっと13ha

オオカミ研究者によれば、オオカミのテリトリーとして観察された面積は、

最小で6000ha、最大で約10ha

と言われています。その最大値をとったわけですね。

オオカミのテリトリーを決めるのは、主なエサの量です。

多くの地域で、オオカミの主なエサになっているのは、有蹄類、シカやイノシシです。

アメリカ大陸では、大きなほうから並べると、ムース(ヘラジカ)、エルク(ワピチ)、オジロジカ等、ユーラシア大陸では、北極圏も含めるとトナカイ、ヘラジカ、アカシカ、ニホンジカ、ノロジカ、モンゴルガゼル等。

日本ではニホンジカ、エゾシカの頭数によって、オオカミのテリトリーの広さが決まります。

エサが多ければテリトリーは狭くなりますし、少なくなれば広くなります。

長野県には10万頭のニホンジカがいると書かれていますので、十分なエサの量だと思われます。テリトリーの面積は最大値をとらなくてもいいのでは?

県知事の答弁には、オオカミは人間領域では生活できない、というニュアンスが感じられます。県の面積から、人間領域を差し引いた面積にだけしかオオカミの生息する場所はない、だから狭すぎるという感じです。

ところが、ドイツ・ラウジッツ地方で復活したオオカミの例からは、人間の生活領域であっても、オオカミは生息していることがわかります。ここ

その例を参考にすれば、長野県の面積135haは、そのほとんどの地域でオオカミが生息できる可能性があります。ラウジッツでは、人口4万人以上の町をさけているだけで、それ以下の町や村は、オオカミのテリトリーに含まれてしまいます。

また、仮に1群のテリトリーの面積が10haとしたところで、大した障害にはなりません。オオカミの群れがどのように分布しているのかは、各地で発信機等を使って観察されています。

たとえばドイツ・ラウジッツ地方では、約50haの面積の地域に、2011年現在11群と1ツガイ、頭数にして合計で約50頭が生息しているようです。

またアメリカのイエローストーン国立公園には、年によって変動しますが、50頭~100頭くらいの頭数で、1012群が生息しています。

ドイツ 50ha50頭 約10

YNP   90ha50100頭 約1012

ここで知事の勘違いがどこにあるのかがよくわかります。

オオカミはシカほどの頭数には増えないということです。だから長野県全域に110haの面積で、100頭のオオカミが生息したとしても、エサになるシカは10万頭もいます。

オオカミの生態を知れば知るほど、「10haのテリトリーが必要だから、長野県にオオカミが棲むことは困難」という答弁はおかしなものに感じられます。

ドイツでもアメリカ中西部でも、人間領域の近くにオオカミの生存を許すかどうかは、

「人間の寛容さ次第」と政府機関やNGOの解説にあります。

日本人は、オオカミの生存を許す寛容さがないのでしょうか。

航空写真がwikiにあります。【赤石山脈】

ついでにいうと長野県を含む中部山岳地帯は、広大です。

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