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« 連続シンポジウム「ドイツに見るオオカミとの共生」報道 | トップページ | なぜオオカミ再導入が必要か④~有機農業とオオカミの関係、そしてツルネンマルテイさんのこと »

2012年6月16日 (土)

オオカミ再導入にいくらかかるか~イエローストーン再導入事例の【事前】調査報告から

イエローストーン国立公園へのオオカミ再導入は1995~96年に行われましたが、その前年に実施前の最終調査報告が内務省魚類野生生物局から出ています。

「Final Environmental Impact Statement」(1994)


414ページにも及ぶ大部な文書なので、必要なところを拾い読みしていますが、その中にオオカミ再導入にかかわる費用の見積もりの1項目があります。日本における再導入の費用を計算するのに、多少の参考になるかと思いますので、翻訳してみました。「代替案1」とあるのは、この報告書自体が、まだオオカミ再導入をいくつかの選択肢の一つとして扱い、他の選択肢と比較しつつ、再導入を提案する、という体裁をとっているためです。

ちなみに他の代替案は、4つです。


Alternative 1: Reintroduction of Experimental Populations Alternative (The Proposal).

Alternative 2: Natural Recovery Alternative (No Action). Encourage wolf populations to naturally expand

into Idaho and Yellowstone.

Alternative 3: No Wolf Alternative. Change laws and prevent wolf recovery.

Alternative 4: Wolf Management Committee Alternative. Establish legislation so the states could

implement wolf recovery and liberal management without federal oversight.

Alternative 5: Reintroduction of Non-experimental Wolves Alternative. Reintroduction and high level of

protection for wolves without establishing an experimental population rule to address local

concerns.


こういうことだと思います。

代替案1:実験個体群を再導入する(推奨)

代替案2:自然復活を待つ。NO ACTION

代替案3:オオカミは絶対に復活させない

代替案4:合衆国が関与せず、州の委員会が独自にオオカミを復活させる

代替案5:地域の関心に配慮した実験個体群という位置づけをせず、再導入する

このうちの代替案1、実験個体群の再導入についての事前の費用見積もりです。実際にこの代替案が採用されましたが、このプランのまま進んでいませんので、この費用はあくまで参考程度になります。


オオカミ再導入案のコスト見積り

代替案1:実験個体群の再導入

                    

パックごと捕獲されてもその地域に大きな影響を与えない個体群を再導入のために捕獲するというルールは、法規によって決まる。10月11月に、パック全体か、群れのメンバーのうちそれと同等の頭数(群れあたり推定4~7頭)が、ヘリコプターによって捕獲され、わなによる捕獲で補充されることもある。

繁殖ペアとその仔オオカミの放獣は、イエローストーン国立公園では、放獣サイト3ヶ所に限定される。当歳仔と他の成獣(およそ15頭)は即座に中央アイダホに放獣される。

11月にはイエローストーンにオオカミ(15頭)が放獣され、オオカミは必要に応じて放獣されたサイトでモニタリングされる。

年に15頭のオオカミがそれぞれのエリアに3~5年間に再導入され、トータルでは各エリアごとに合計で45~75頭になる。

ハードリリースの技術がソフトリリースと同様に成功する場合、またはオオカミの頭数が5年以内に定着する場合、すべてのプログラム費用はこの見積りを下回ることになる。

オオカミ再導入後、オオカミの頭数が定着した後、オオカミはそのエリアで復活まで(子育てペア10パックが3つの復活エリアに3年連続で確認される)モニターされる。(およそ2002年ごろまで)

復活後オオカミは州によって管理される。


                            

Estimate_cost

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オオカミ復活」カテゴリの記事

コメント

全部の費用で数十億円くらいですか? 絶対に安い!!  お得だ!!!

イエローストーンでは、オオカミを目的の一つにに訪れる観光客が、年間約40億円のお金を使うそうです。
また、オオカミという捕食者の再導入を通して、自然への理解が日本に比べてずっと高まったのではないでしょうか。
日本の自然保護をオオカミ導入なしで語る人たちに「目を覚ませ」と言いたい。

mmruさん

どうもありがとうございます。
オオカミの役割から生態系を学習していくと、その連鎖反応、カスケード効果や、それが欠けたときの現象までがよく見えてきて、実に楽しい学問になります。
高校生の時代のつまらない生物学の授業をうらみましたよ。
オオカミは安上がりですね。

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