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2012年11月20日 (火)

シカが減ればオオカミも減る~本当か?


 
オオカミは、シカやイノシシ等のエサ動物が減れば、自然と減っていく
「どんだけ都合のいい理屈だよ」
と言われても
イエローストンやロイヤル島では、実例がある。


イエローストンのエルクとオオカミの増減】


Yellowstoneelkwolf_2
ロイヤル島のムースとオオカミの増減】


Photo


イエローストンではエルクが、ロイヤル島ではムースが減り始めるとタイミングが遅れてオオカミも減る。ムースが増え始めるとオオカミも増えている。
 
ドイツでもムースとオオカミの頭数の関係を示したグラフがあるが、公表許可を得ていないので、ここでは、ヨーロッパでも同様の事例があるというだけにする
 
オオカミが、オオカミ自身で頭数を調節する機構は、オオカミの生態の特徴によると考えられる。
関係する特徴は「ナワバリ」「食糧」「死因」の3項目である。



ナワバリ

オオカミのナワバリは強固で、隣接するパック同士は基本的に互いにナワバリを侵さない。ナワバリの間には緩衝地帯があり、面積の4割程度が緩衝地帯である。

ナワバリに侵入した個体とは、死ぬまで闘争する。

食糧

大人のオオカミは食べ物がなくても数日でも何週間でも生き残ることができる。しかし成長ている子オオカミは、彼らの最初の年の秋までに大人と一緒に旅行して、狩りに参加する十分な強さに育つために十分な栄養が必要である。

http://nikkokekko.cocolog-nifty.com/wolf/2012/11/post-5f4d.html

死因(自然死:人間が関係するものは除いた)

オオカミの自然死の原因は主に飢餓により、まず子供が死ぬ。そして次にテリトリーの争いのために他のオオカミに殺される。疥癬やイヌパルボウィルスのような病気やジステンパーはオオカミの頭数を減らす。ライム病はオオカミにも同様に感染する。フィラリアは肺への血流を止めるためオオカミの体力を奪う。獲物から受ける怪我が死につながることもある。子どもの死亡率は変動する。しかし毎年おおよそ40~60%になる。

 http://nikkokekko.cocolog-nifty.com/wolf/2012/10/post-9ccb.html


 

オオカミがエサ動物の減少につれて、減少することを解説した専門家の文章をまだ見つけられていないが、上記の要因から、おおよそこういうことだろうという想像は可能である。


 
エサ動物の生息密度とオオカミ
オオカミのエサになるのは、若齢、老齢、病気、ケガなどの弱い個体である。
オオカミの捕食はエサ動物の群れを健全化し、健全化した群れからエサを獲りにくくなることが考えられる。また捕食やその他の効果によってエサ動物の生息密度低くなれば、エサを獲る機会は減る獲物を確保するため、ナワバリは広くなる。

ナワバリの拡張によって、隣りのパックのナワバリとぶつかることになり互いに闘争による死が、待っている。
捕食機会が少なくなると、飢えにより、まず子どもから死亡率が高くなる。エサ動物が豊富でも子供の約半数が死亡するが、エサが少なくなればさらに死亡率は高くなる。
成獣は、1週間10日エサを食べなくても生き残る可能性が高いが、それでも弱って病気に感染しやすくなる


 

逆に、オオカミが減った場合シカは、一時的に自身の個体数減ったことで、エサ条件よくなることも加わり、増え始める
すると若齢のシカを中心に捕食機会も増え、オオカミの健康状態も回復し、繁殖、子どもの成長の割合も多くなり、今度はオオカミの個体数が回復する

という訳で、エサの有蹄類が減れば、オオカミは減り、有蹄類が増えればオオカミもそれを追って増えるというサイクルが繰り返されることになる。
 
 
 
ボトムアップとトップダウン
ボトムアップ理論、つまり動物の増減はエサしだいであるという理論トップダウン理論、動物の増減は捕食者がコントロールするという理論のどちらが正しいのか、論争は決着していないと聞く

が、素人の感想をいえば、どちらかだけが正しいのではなく、草食獣はトップダウン、頂点捕食者はボトムアップとどちらもありなのだと感じる
少なくとも日本でのシカに関しては、トップダウンでなければ自然調節はできないようだ
なぜなら、日本では、植物の繁殖が旺盛で、植物を食べつくすことはできないからだ。金華山、増えすぎたシカが大量餓死したケースでも、アラスカ等の事例とは異なり、約半数が餓死する程度で終わった。
ボトムアップ理論を大型草食獣に適用した場合、もちろんエサが少なくなることでシカが減ることは減るのであるが、その過程で山野はシカの採食圧で、ぼろぼろになってしまい、植物だけでなく動物も多様性が減少していく

やはり有蹄類等の草食獣は、抑えるものがなければ、自然界に大きな、壊滅的な影響を与える。トップダウンによる頭数抑制が必要なのである。


 
オオカミのような肉食獣、特に頂点にいる捕食者は、上記のようにエサが減れば自然と減ることになる。これこそがボトムアップによる個体数調節であり、オオカミはエサがなくなっても増え続けることなどありえない。
それはオオカミの生態上の特徴によるものである。
 オオカミは、シカやイノシシ等のエサ動物が減れば、自然と減っていく
 

また、種は違うが、生態学の教科書には必ずといっていいほど載っているらしい、オオヤマネコとカンジキウサギの増減グラフを追記しておく。種は違ってもオオカミと同じポジション(頂点捕食者)にいるオオヤマネコは、エサのカンジキウサギの増減に伴って増減し、決して永遠に増えてカンジキウサギを絶滅させることはない。

【オオヤマネコとカンジキウサギ】


Photo_2

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コメント

 オオヤマネコとウサギの統計は、かつて、別の分野で悪用されました。

 ブラックバスは、生態系にダメージを与えることはないという飛躍した理論で、あちこちに移殖されました。確かに、今のところ、特定の種が滅ぼされた水系は、認められないようですが、絶滅の証明は困難なことを考えれば、深刻な種もあるかもしれません。餌となる魚とブラックバスと単純化した場合は、餌が絶滅することはありませんが、ブラックバスが捕食しやすい種が集中的に狙われるという点を意図的に見落とした屁理屈にすぎません。別の意図、すなわち、特定の種を捕食してもらおうとして、マングースを放したが、他に、もっと、おいしいものを捕食しているのと、同根です。

 この、ブログは、狼が、ウサギやげっ歯類、鳥類を主食とはできないことを、丁寧に解説してくださっていますので、曲解する方は、少ないと思いますが。
 かつて、その統計にいやな思いをしたことがあり、書いてしまいました。すみません。

くちひらかずさん
ご指摘ありがとうございます。
そんなことがあったんですか。
マングースと同じ、ということから類推すると、ブラックバスも中間捕食者なんですね。たぶん。
やはり捕食者と一括して考えないで、頂点捕食者と中間捕食者を区別して考えないと、いけないのではないかと思いました。

ブラックバスが中間捕食者ということをときどき考えていました。どうしても、上位の捕食者が、思いつかなかったのです。
この前、ふと、上位捕食者を魚類に限定していたミスに気付きました。
イタチ科の泳ぎ達者な奴ら(および、ミサゴ君達)ですねきっと。
ああ、すっきりして、年を越せる。

日本にもイタチ科のかわいい奴がいましたね。しばらく前に多摩動物園でしばらく見入ってしまいました。これも再導入話があり、ヨーロッパやアメリカでは続々と再導入されているらしいです。日本でも東農大の安藤先生が唱えていらっしゃいます。カワウソがいると外来魚問題もだいぶ改善されるかもしれませんね。
ミサゴも先日NHKのダーウィンが来たでやってました。不明にして、ミサゴが魚食一本やりとは知りませんでした。これもブラックバスなどは、水面に近いところにいると聞きかじったことがありますから、そうならエサとしては最適かも。

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