無料ブログはココログ
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

« オオカミはジビエがお好き~オオカミが復活したら家畜が襲われる? | トップページ | ドイツでオオカミは家畜を襲ったか?~ラウジッツの食性調査 »

2013年1月27日 (日)

オオカミの狩り~シカ類の捕獲に適応

「動物の狩りの百科」今泉忠明

より、ハイイロオオカミの項を抜粋します。

http://www.data-house.info/book/3364.html

長距離をひたすら追う

狩りは普通夕方から夜行われるが、寒冷な季節には昼間の行動が増える。夏の間、オオカミの群れは夕方早い時間に出かけ、朝になって巣穴や集合地点に戻ってくる。冬にはずっと遠くまで徘徊し、特別な地点に戻ってくる必要もない。彼らは決まった踏み跡、道、流れ、凍った湖を歩く。一日の移動距離は数㎞から200㎞に達する。フィンランドにおける一日の平均移動距離は23㎞である。ロイヤル島では一日に平均11㎞移動し、一回の狩りには平均33㎞歩くという。


獲物には偶然のチャンスか、直接嗅ぎ当てるか、あるいは新鮮な臭いを追跡することによって出会う。臭いを2.4㎞の距離から嗅ぎ当てる能力がある。

獲物に可能な限り接近するために用心深く忍び寄る。もし獲物が大形で健康で、しっかり立っていると、群れの仲間は危険を冒さない。そうでなければ追跡が始まるが、その距離は通常100~5000mである。一回の狩りで数㎞から数10㎞を歩く。適当と思われる獲物のヘラジカを発見すると彼らは追撃に移る。走るのは速く、短距離ならば時速55~70㎞に達する。一跳びで5m、追跡では最高速度を少なくとも20分間維持できる。

しかし、狙った獲物に素早く接近できないと、彼らはあきらめる。さらに獲物を少し追跡してみるだけで獲物が健康かどうか、すぐに判別する。たやすく捕獲できるかどうか、追跡を継続するかどうかをテストしているのである。健康なヘラジカは大木を背にして、近づいてくるオオカミを威嚇する習性があり、堅い蹄を打ち振るって、猛烈に反撃する。賢いオオカミはこんな獲物には手を出さない。時間と体力の無駄だということを経験的にしているのだ。だが、オオカミの姿を見て逃げ去る個体は追跡する。そして、足などに欠陥があるかどうか、たちどころに見極める。少しでも弱点を見出すと、たちまち全員が追跡に移る。

追跡を開始するが、近道をするものもいて、先頭は常に変わる。追跡はリレー方式になる。追跡は執念深くまた極めてタフで、時速26~40㎞のスピードで夜通し追い続けることもある

獲物が疲れを見せ始めると、逃げる獲物の尻、わき腹、肩に噛み付き、獲物の動きを止める。獲物に追いつくと彼らは主に尻、わき腹、肩に噛み付く。それから頸や鼻面に噛み付き、とどめを刺す。経験豊かな4~5頭が狩りの主役で、若い個体はもっぱら狩りを見物することで獲物の倒し方を学習していく。

狙われた獲物が助かるチャンスはないと言われるが、実際は狩りの大部分は不成功に終わる。ロイヤル島では、オオカミに追跡されたヘラジカのうち実際に殺されたのは8%だけであり、例外的な一例は、シカを20.8㎞追跡したことだという。

獲物はヘラジカのほか、オグロジカ、ワピチ、カリブー、バイソン、ジャコウウシ、オオツノヒツジのような、自分よりも大形の哺乳類である。とはいっても飢えていれば小さなノウサギ、マーモット、ビーバー、マスクラット、ノネズミなども捕らえる。

彼らは大形のシカ類を捕食するように進化してきた捕食者である群れをなし、群れに社会的な強いきずなが発達したのも、シカ類を狩るためであり、小さなノネズミやノウサギを捕らえても、それに要するエネルギー量の方が大きいから、割りが合わないのである。



« オオカミはジビエがお好き~オオカミが復活したら家畜が襲われる? | トップページ | ドイツでオオカミは家畜を襲ったか?~ラウジッツの食性調査 »

オオカミの生態」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/221774/56636110

この記事へのトラックバック一覧です: オオカミの狩り~シカ類の捕獲に適応:

« オオカミはジビエがお好き~オオカミが復活したら家畜が襲われる? | トップページ | ドイツでオオカミは家畜を襲ったか?~ラウジッツの食性調査 »