無料ブログはココログ
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

« 日本の生態系修復には【オオカミ再導入】が必要不可欠 | トップページ | オオカミの狩り~シカ類の捕獲に適応 »

2013年1月22日 (火)

オオカミはジビエがお好き~オオカミが復活したら家畜が襲われる?

アメリカの科学ニュースサイトScience Dailyの記事より。

 

オオカミ再導入に対して「オオカミは獲るのに苦労するシカやイノシシではなく、捕食しやすい家畜を襲うに違いない」と心配する方がいます。確かにアメリカでは放牧の羊や放牧牛が、ヨーロッパでも放牧の羊が、襲われる事例が報告されていますが、オオカミは家畜を好んで捕食しているわけではないようです。

*******************

オオカミは、野生動物よりも家畜を好んで襲うのか、という疑問を解き明かすイベリア半島での研究結果がScience Dailyに掲載されました。

 意外な結果です。

 

イベリア半島には、スペイン北部で70年の200頭から、現在は3000頭以上に回復し、毎年かなりの家畜被害が出ていると言われているにも関わらず、このレポートでは、「オオカミは家畜よりも野生動物を好んで捕食する」と報告しています。

 

 

http://www.sciencedaily.com/releases/2009/10/091023104702.htm#.UPqW8glSudM.twitter

 

 

 ~イベリア半島のオオカミは家畜よりも野生のノロジカを好む~

 


2009年10月23日 

スペインの研究者は、オオカミが現実において好むのは、ヒツジやヤギ、牛や馬といった家畜の反芻動物のまえに、ノロジカやシカやイノシシであるということを示すために、イベリア半島北東のオオカミの選択性を分析した。

 

 

 

 

 

 

 人はオオカミのことを「家畜なしではやっていけない依存症」にちがいないと思いこみ、そのためにこれまでオオカミを追撃してきた。だが、Isabel Barja の単独研究とマドリッドの自治大学の研究者達による研究から、ガリシア地方のOurense地域山岳地帯 Macizo Central Orensanoにおいて、オオカミはこの調査地では家畜を手に入れることができるにもかかわらず野生の有蹄動物の方を好むことを明らかにした。

 

 

 オオカミの糞から食物のタイプを同定した研究者は、87.1%の事例で野生の有蹄動物の残滓が出現する一方で、家畜動物の出現は11.3%にすぎないことを強調する。捕食性動物(たとえばアナグマ、イヌ、ネコなど)そしてウサギの残滓が出てくる程度は、より少ない。

 

 

 最近の「ワイルドライフ・バイオロジー」に掲載された研究は、オオカミにとってノロジカがいかに主要な獲物であるか、年間を通してすべての季節(とりわけ夏季52%と春季 26.2%)で利用されているかを映し出している。1998年5月~2002年10月にかけて集められたオオカミの排泄物593サンプルの分析から、獲物の62.8%はノロジカで、12.6%がシカ、10%がイノシシであることが明らかになった。家畜の消費はそれぞれ、ヒツジは7.7%、ヤギは2.9%にすぎなかった。

 

 

 家畜の残滓がオオカミの排泄物サンプルの中に存在するという事実は、この調査地では遺骸利用(スカベンジ)行動によるものだということで説明がつく。「なお、ここでは調査を行ったにもかかわらず家畜の群への攻撃の報告はなかった」と生物学者は述べた。

 

 

 オオカミの食性分析が明かす重要な側面のひとつ、それは、野生の有蹄動物と家畜の消費が、その利用可能性には左右されていないということであり、消費は獲物になる種が豊富にいるかどうかに左右されているということだ。Barjaは言う。「オオカミは、家畜も野生も両方が目の前にたくさんいる事実にもかかわらず、家畜より先に野生のノロジカやシカやイノシシを選ぶのです」

 

 

 

 この研究結果は、オオカミが、家畜の有蹄動物のような最も容易につかまえられる獲物をエサにするのではなく野生の獲物を消費することを好むということを確かめた。しかし、オオカミを、この調査地における機会捕食者であると分類するのは正しくないだろう。

 

 

 野生の有蹄動物の密度が低く、種数も少なく、オオカミが家畜動物をエサにしているような地域では、野生の獲物動物を増加させること、家畜をよく見張り、オオカミが家畜の遺骸に接近しにくくすること。そうすることがオオカミを、もっぱら野生の獲物を消費するようにさせ、その行動を彼らの子孫に伝達するようにさせることになる。まちがいなくこれは、人とオオカミの間の葛藤を最小化させる助けになるだろう、そしてイヌ科動物の保全の援助ともなる」と研究者は結論づけている。


« 日本の生態系修復には【オオカミ再導入】が必要不可欠 | トップページ | オオカミの狩り~シカ類の捕獲に適応 »

オオカミの生態」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/221774/56602233

この記事へのトラックバック一覧です: オオカミはジビエがお好き~オオカミが復活したら家畜が襲われる?:

« 日本の生態系修復には【オオカミ再導入】が必要不可欠 | トップページ | オオカミの狩り~シカ類の捕獲に適応 »