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« カナダ・オンタリオ州のオオカミ保護政策への転換 | トップページ | オオカミの能力、イヌの能力 »

2013年5月19日 (日)

オオカミは危険か?オオカミ生息地の人々⑥~各国政府行政機関、保護団体の公的見解

オオカミ生息地の行政機関や、保護団体がオオカミに関するQ&Aや解説をしているHPがいくつかある。

その回答が、「オオカミの危険性」について、どのように回答しているか、見てみる。

●アメリカ合衆国 魚類野生生物局

(USFWS)

オオカミは人間、とりわけ小さな子どもには脅威になるか

野性のオオカミが人間に対して攻撃的な行動をとることは稀である。アラスカとカナダには、現在5万9000から7万頭のオオカミがいる。2002年に出版されたアラスカとカナダでのオオカミと人間の遭遇のケースヒストリーに記録されたオオカミと人間の遭遇の情報によれば、1970年以来、狂犬病ではないオオカミが人を咬んだ16件の事件のうち、6件は深刻なケースだった。その報告書が書かれて以降では、カナダのサスカチワンで、2005年にオオカミに人が殺された。それは、オオカミが規則違反のゴミ捨て場で餌付けされ、人なれした状況だったらしい。2010年には、アラスカで郊外をジョギング中の女性がオオカミによって殺された。

野生のオオカミは一般に人に対して臆病で、人間との接触を可能な限り避ける。しかし、どんな野生動物でも、追い詰められたり、傷つき、病気になった場合、あるいは、人為的な餌付けのような行動を通じて人に馴れたような場合には危険になる。人はオオカミが人間に近づいたり人間が与えるえさに依存するようになる行動を避けるべきである。

●インターナショナルウルフセンター(アメリカ合衆国)

(IWC)

ミネソタ州最北部イリにあるオオカミを飼育し、一般公開している民間施設。オオカミに関する情報発信源。

ミネソタ州では北部に州の3分の1ほどの面積でオオカミが生息している。推定頭数は約3000頭。隣接するウィスコンシン州、ミシガン州を合わせると、五大湖周辺にオオカミは約5000頭生息していることになる。

オオカミは人間にとって危険か

その答えは、一言でいってNOだ。典型的なオオカミは人間を避ける。

しかし!北アメリカでは、野生のオオカミが人を襲ったとする詳細な話もいくつかあり、また目撃者はいないけれども、2005年若い男性が北サスカチュワンで、オオカミの攻撃で結果的に死亡したと2007年の審問で判定された事件がある。オオカミが人を殺したという話は、インドやロシア、中央アジアの一部で繰り返し主張される。野生動物が人に慣らされたとき、特に餌付けされたときに人間への恐れをなくすということも事実である。大型捕食者、オオカミは人を殺す能力は確かにある。しかし、オオカミや他の野生動物にそのような行動をとらせることはすべきでないし、ハイカーやキャンパーは不慮の事故を防ぐための必要な予防策は講じておくべきである。

●ミネソタ州 自然資源局(アメリカ合衆国)

(ミネソタDNR)

ミネソタ州では北部に州の3分の1ほどの面積でオオカミが生息している。

オオカミは人間にとって危険か
その答えは、一言でいってNOだ。

典型的なオオカミは人間を避ける。しかし!北アメリカでは、野生のオオカミが人を襲ったとする詳細な話もいくつかあり、また目撃者はいないけれども、2005年若い男性が北サスカチュワンで、2010年アラスカで、オオカミの攻撃で結果的に死亡したと判定された2つの事件がある。

北アメリカでオオカミが人間を襲ったことは稀であり、結果としてよく理解されていない。インドやロシア、中央アジアの一部でオオカミが人を殺したという話は、繰り返し主張される。野生動物が人に慣らされたとき、特に餌付けされたときに人間への恐れをなくすということも事実である。大型捕食者、オオカミは人を殺す能力は確かにある。しかし、オオカミや他の野生動物にそのような行動をとらせることはすべきでないし、ハイカーやキャンパーは不慮の事故を防ぐための必要な予防策は講じておくべきである。

人々はオオカミや他の動物が人間を傷つける潜在能力があることを注意しておく必要がある。


●ウィスコンシン州自然資源局(アメリカ合衆国)

(ウィスコンシンDNR)

ミネソタ州と隣接する州北部に約800頭が生息。ほぼすべてのパックがナワバリまで把握されている。

オオカミとともに生きる

大地を共有する。

オオカミは一般的には人に対して臆病で接触を避けている。

しかし、どんな動物も追い詰められたり、傷ついたり病気になったり、あるいは餌付け等により人なれした場合には危険になりうる。オオカミやクマのような大型捕食者の場合、特にこれらの動物が人間の近くに来ないよう、食べ物に依存することにならないようにすることが重要である。

●モンタナ州 魚類野生生物・公園課(アメリカ合衆国)

(モンタナ FWP)

モンタナ州は、イエローストーン国立公園にオオカミが再導入されたと同時にロッキー山脈にオオカミを放獣している。一時は北部ロッキー全体で1600頭くらいまで増えていたが、絶滅危惧種法(ESA)のリストからオオカミがはずされ、オオカミ猟が可能になっているため、狩猟により減少していると思われる。


Q:モンタナ州は公共の安全に関心を払うべきか?

A:オオカミは一般的に人間を恐れ人間の安全を脅かすことは稀である。

過去100年、人間が傷つけられたという話はいくつか書かれているが、オオカミによる死亡事故はなかった。しかし、オオカミが人に近づいてくること、建物の周りを徘徊し、家畜や家犬の周りをうろうろすることは普通ではない。このような行動は、囚われた後に放されたオオカミや、人間の食べ物に餌付けされた、あるいはウルフドッグに典型的なものである。野生のオオカミは一般に人間の居住地域周辺をうろついたり、何かを探し回るようなことはしない。

Q:モンタナ州民はオオカミを見つけたらどうすべきか?

A:目撃情報を州FWPか連邦FWSに知らせてほしい。

彼らの人間への警戒心にも関わらず、特に「都市と自然の境界」といわれるような森やその他の環境ではオオカミは人間に極めて近い自然生息地を使うこともある。この季節、他の肉食獣、ブラックベアやマウンテンライオンよりも、ハイイロオオカミを見る機会が多いだろう。オオカミは道路や使いやすい回廊、鉄道路を移動経路としてよく使う。足跡や糞がよく道路で見つかる。マウンテンライオンは獲物の食べ残しを深い藪の中に隠したがるが、オオカミは食べ残しを景色のよい、オープンな地域に残していく。

オオカミはまた、マウンテンライオンやクマがしようとしない、開けた森や草原を横切って移動する。そしてオオカミは家族で生活しているので、1頭ではなく一度に多く見られるかもしれない。

●ドイツ ザクセン州ラウジッツ地方

(ドイツNABU)

ポーランドから移住してきたオオカミが定着し、現在ポーランド領内も含めて約70頭生息している。

市民への情報提供、グリム童話とは違う

コウノトリが赤ちゃんを運んでくるということを誰か信じているだろうか?誰もいないだろう。しかし私たちがオオカミに関して考えていることはまだ、伝説と偏見で決定されている。人々の考えを変えるために、NABUはオオカミに関する市民教育として、子供向けの童話に代わる事実に基づく情報を提供している。

●カナダ オンタリオ州

カナダアルゴンキン公園

カナダはオオカミの一大生息地で、カナダ全体では6万頭とも言われている。オンタリオ州では生息頭数はよくわかっていないが、2005年まで400~500頭が毎年捕獲されてきたことが公表されているため、それを基にすれば、数千頭という単位だろうと思われる。

オンタリオ州 自然資源省

オオカミは一般的には臆病で人間を避ける。しかし、もし人間から簡単に近づける食べ物を連想するようになってしまったら人間に対する恐れをなくしてしまう。このようなことが起きたら、オオカミは白昼キャンピングエリアや家、人間に近寄ってくるオオカミを見られるかもしれない。オオカミを見ることは、忘れられない記憶だ。人間に対する攻撃的な行動は通常はないが、オオカミが近づいてきたときは注意が必要だ。

カナダThe Wolves Ontario! project

質問:オオカミは人間が怖れなければならない凶暴な動物ではありませんか?

回答:オオカミをちらっとでも見る機会に遭遇することはめったにありません。オオカミは人間を恐れる傾向があり、うまく人間を避けている動物です。北アメリカで健康なオオカミが人を殺した例がありますが、そのオオカミは残飯で餌付けされ、人間への恐れをなくしたようだという証拠が示されています。ほとんどの野生動物のようにオオカミは人間の行動に反応します。攻撃のリスクは、人間が野生動物の生息地でいかに行動するかにかかっています。オオカミの攻撃は極めて稀ですが、キャンパーやハイカー、他の自然愛好者は、オオカミの国に入るときには責任ある行動で、用心して歩きましょう。

●ルーマニア 哺乳類保護ワーキンググループ

ルーマニア国内には約4000頭のオオカミが生息している。

オオカミが人間を咬むか?

ルーマニアでは、オオカミが人を襲ったという現実的なデータはない。

ある研究(2002年リンネル他―The fear of wolves)によれば、ルーマニアでは41件のオオカミが人間を襲った事件が知られている。41件中33件は間違いだったことが証明され、8件だけが実際にオオカミが人間を襲った例だとされている。そのうち2件はハンターが傷ついた動物を棒で止めようとした狩猟宴会でのものだった。(ハンターはそれぞれがわなにかかったオオカミを棒で殺そうとする)他の6件は、羊飼いが追い詰めた動物を殺そうとしたときに起きた。「オオカミの攻撃」はすべてのケースで、実際にはオオカミの防御的行動だった。


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