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2013年6月28日 (金)

オオカミの能力、イヌの能力

北海道・風蓮湖の野犬、エゾシカ襲う タンチョウも被害「行政、早く対応を」

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/476263.html

 風連湖畔に、数年前から野犬が住み着き、いま10頭くらいがまとまって行動しているらしい。水の中でエゾシカ狩をするなんて、なかなかやるじゃないか。

 イヌがここまでできるというなら、オオカミはもっとうまくできるだろう。以前の記事では、イヌとオオカミの能力の比較をしてみたが、そのときはもっと重大な違いがあることに気づいていなかった。風連湖のイヌたちのニュースを見て、もう一度そのことを書いておくことにした。

 「イヌにオオカミの代役が務まるか」という質問への答えは、「否」である。

オオカミの代役を探すのなら、その前に、オオカミの機能、果たしている役割をはっきりさせなければならない。

 オオカミの生態系内での役割は、「キーストーン捕食者」である。

 キーストーン捕食者は、シカを捕食し追いまわすことで、生態系の中のどんな小さなことにも影響力をもっている。シカを抑える役を担うことでイエローストーンでは河川の生態系までもが好循環を始めた。

 そしてその影響力はどこからくるかというと、オオカミがナワバリを毎日何十キロと巡回して、エサが獲れそうだと見れば、その持久力を生かしてシカを追い掛け回すことからくる。ナワバリ内を満遍なく、常にかき回しているようなものなのだ。

 そうしなければシカはオオカミの来ない場所に留まり、やはりその場所の植物を食べつくすだろう。ただ捕食するだけでない効果を、オオカミの能力はもっている。その影響力はシカを常に警戒させ、走らせていることだ。

 イヌにその力があるかというと、ない。実は人間にもない。何万ヘクタールを満遍なく毎日見回るなんてことはどちらにもできないからだ。

 それに、今回の野犬が、常にシカを捕食することを狙って動いているかどうかは疑問だ。たまたま出会って捕食する機会に恵まれたから、というのではヒグマと同じだ。


機会捕食者では、キーストーン捕食者の役割は務まらない。


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オオカミの生態」カテゴリの記事

コメント

シカを襲っていたのが仮に3頭のオオカミだったとしたら、この飲食店の方は果たしてシカを助けようと爆竹で追い払ったでしょうか。
おそらく「否」です。あくまで想像ですが。
対象がイヌかオオカミかで⦅人の行動⦆は変わります。それもまた、「イヌではダメな理由」のひとつです。

付け加えると、この野犬がもう5年もいついているのだから、イヌにオオカミの代役が務まるなら、イエローストーンの前例から考えて、今頃シカは減少していなければならないし、オオカミだったら繁殖して2~3パックに増え、もっと広い範囲の生態系コントロールを始めているはず。

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