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2015年8月 8日 (土)

IWMC2015 世界野生動物管理学術会議・見聞記②

 

 

 

こんなことなら、想定問答やら日本情報やらを事前に準備しておくんだった!・・などという後悔をしている余裕もなし!とにかくブロークンイングリッシュで話をするしかないっ(^^;) マッカラー博士、すっごく優しくて親切で、「学びたい日本人には何でも教えてあげるよっ!!」オーラ全開でした() ・・ ただ、そのわりには容赦ないネイティブのスピードと語彙で、喋る喋る喋る喋る・・・

 

 ・・わ、わからないっ \(^^;)/ オテアゲ

 

 

 

でも、即答でしたよ。「オオカミ?ああ、シカを減らすよ。知床にオオカミが戻ったら役に立つと思うよ(大意)」ですって。

 

オオカミは生態系に有益である、確かに家畜被害などは出すがそれは割合としてはごくわずかである、そして人々が想像しているような「悪い」動物ではない。この3点が人々に共有されれば、再導入は可能だろう。だが社会が変わるのには時間がかかる。米国でできたから日本でも、と考えるのは違う。まして羨望(jealous)が動機ではいけないよ、みたいなことを仰って下さってた・・・気がする・・・英語力の無さが、む、無念。。。orz

 

 

 

 

 

 それから、苦笑まじりに「どうも日本人研究者は、オオカミを恐れているようだねJapanese scientists seems to be afraid of wolves. (←正確な文章ではありませんが)」 みたいなことを。

 

あ、やっぱり、お感じでしたか。

 

それで「私たちは、オオカミ復活に賛成でも反対でも、とにかくオープンに議論がしたいんです、議論することから分かってくることがあり、得るものがあると思っています。でも反対派は議論そのものを望まず、オオカミを無視しようとするのです」と申し上げました。

 

それに対して博士は「古い時代の科学や伝承を信じている人はオオカミを受け入れないだろう。いいかい、そういう人は、いくらあなたが頑張っても考えを変えない。しかし社会は変わり、新しい科学のもとで育った若い世代はそうではないかもしれない。大切なのは若い人たちへの教育だ」と。

 

 

 

教育が大事。

 

それが休憩室での会話の結論でした。

 

 

 

もう私自身はこれで大満足で、「じゃあね」と立ち去るマッカラー博士にお礼を申し上げて見送り、あとは午後のセッションを楽しみに、心を落ち着けて、お昼を食べていました。

 

 

 

・・午後の知床のセッションが、あんな感じになるとは予想もせずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ午後、知床のセッション。

 

 世界自然遺産登録から10年、知床ではどのような取り組みが進み、イエローストーンは今どういった状況なのか。加えて、ロシア極東のシホテ・アリン保護地域は北海道に近く、オオカミもカワウソもいる豊かな自然が残っており、大いに参考になる地域なので、その情報も交えて、① 3地域の共通点と相違点の理解 ② 知床の将来像を考える、という趣旨の集会です。

 

・・・まず冒頭で、撮影禁止と言われた(ように聞こえた・・orz )ので、写真は無しです。

 

 趣旨説明に続いて、発表者①(敬称略)環境省の担当者から知床の紹介。自然遺産とされるには評価基準(criteria)がいくつかあるのですが、知床は「海と森のエコシステムのつながり」と「生物多様性」の2基準で選定された場所です。そこで今、おこなわれているのは?そう、人の手によるエゾシカの間引きです。発表者②がその説明をしました。道沿いに誘因餌を撒いてシカを集め、国道を通行止めにして移動しつつ車上から効率的に撃っていく方法と、全長3キロの一時柵を半島内に設置してシカを追い込み撃つ方法。・・本来、人の手はなるべく加えず、自律的な健全な自然を保つべき世界自然遺産地域。そこで「我々は将来もこれを続けるべきなのでしょうか?」発表者①も②も、最後にそう問いかけるだけで、答えを示そうとはしません。

 

 続いて発表者③がイエローストーンの話。タイトルは大型有蹄類の保全と管理となってはいますが、そのベースとなる「保全と管理」の考え方、という部分に力点が置かれていました。いわく、守るべきは Ecological Integrity であると。システム・ダイナミクス、エコロジカル・プロセスが重要であり、個々の動植物をどうこう・公園地域かそうでないかというよりも、公園地域を核とする周辺一帯の、たとえば捕食という行動とか、季節移動とか、自然発火の野火とか、そういうものを我々は守っていくのだ・・・みたいな話でした。

 

 発表者④は知床のヒグマ管理の現状報告。高架木道とガイド付き少人数ツアーを行っていること、ウトロの町を電柵で囲い、人の生活圏とクマとを分離していること、餌やり禁止キャンペーンやウォッチングツアーの紹介などを行いました。休憩をはさんで、発表者⑤がイエローストーンのヒグマ管理の簡単な歴史と現状報告。当地のヒグマは、子グマの死亡率が以前と比べて高くなっているのに、数は増えているんだそうです。興味深いですね。そしてロシアの自然保護地域の話ですが、発表者がビザか何かの事情で来日できず、この地域でカワウソの生息地調査を行った日本人研究者が代読しました。

 

そして総合討論。日本人の司会者が「増えすぎているシカ問題」「公園内外を考えたヒグマ管理」「その他」について話題をふったりしていましたが、いまひとつ盛り上がらず。社会状況も違うし、だいいち、オオカミとカワウソがいなくてシカとクマが1種類ずつしかいない知床と、複数の有蹄類がいてクマも2種類いて大型ネコ科もいる他2地域とでは、噛み合う議論や助言はなかなか難しいのだろうな、という感じがしました。

 

 

 

 

 

そして最後にマッカラー博士のコメントです。

 

・・・ここまででお分かりのように、発表者からはほぼ「wolf 」という単語は出ませんでした。発表者⑤に対しての来場者からの質問に、子グマの死亡率増加には、再導入されたオオカミは影響しているのか?というものがあったけど、それくらいでした。

 

でもマッカラー博士は冒頭からオオカミの問題にズバリ切り込んできました。

 

おおっと!

 

 博士「10年前、ここ北海道で知床の話をし、そして10年後、同じディスカッションの場に戻って来れて嬉しい。いろいろな取り組みが進められ、状況が改善しているのを知って嬉しく思います。」

 

 司会者「 期待していた通りの方向か、どうでしょうか」

 

 博士「そうですね。でもオオカミの問題が進んでいないのは残念です」

 

 

 

 

 

 

 

思いがけず長期連載になってしまいましたww もう少し書きたいことがあるのでお付き合いください。

 

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