ウィスコンシン州のオオカミとシカの分布
アメリカ中西部3州、ミネソタ、ウィスコンシン、ミシガンにはオオカミが約4000頭生息しています。
http://dnr.wi.gov/topic/WildlifeHabitat/wolf/index.html
http://dnr.wi.gov/topic/WildlifeHabitat/wolf/documents/HistoryofWolves_2011.pdf
保護がはじまった1970年代に残っていたミネソタのオオカミが増えて、ウィスコンシン、ミシガン(アッパー半島)に拡大したと推測されています。
ミネソタではオオカミの頭数が多すぎて、それぞれのテリトリーを地図上に示すことができるほどには把握されていないため、生息エリアでしか表現されていませんが、ウィスコンシン州では、州境を越えて侵入して増え始めた初期のころから、テリトリーが確認されていますので、その増え方もイエローストーンと同様に追跡されています。
また、この地域は、狩猟のための情報提供としてシカの分布、生息密度も公表されていますので、オオカミの分布とシカの分布、生息密度を重ねてみることが可能です。
可能なら、全ての地図をスライドのように重ねてみたいところですが、テクニックがないので、縦に並べてみました。FBではアルバムに置きましたので、それらしく見られます。
地図は、オオカミの分布図、BUCK(オスジカ)、DEERの秋季、冬季生息密度です。
重ねてみると、当然ですがオオカミ生息地はシカの密度が低く、周縁は高くなっています。
ただし、この地域では狩猟も盛んですから、狩猟圧による頭数減も、厳密にいえば考える必要はあります。
日本へのオオカミ再導入後は、奥山地域はオオカミにまかせ、周縁を人間が管理するという姿になるので、この一連の地図はその姿を想像する材料になると思います。
最後の1枚は、2012年に発生した、家畜や飼い犬のオオカミによると認定された被害地を示すものです。
中西部の五大湖沿岸では、畜産業は森や湖水地域を切り開いて、森の中の島のような形で牧場を作っている場合が多く、オオカミ生息地域の中での被害はそうした放牧地で起きていると考えられます。